皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。
来週の月曜日に再入院して4クール目、最後の化学療法を行います。
今は自宅での療養中でリハビリ等を行っています。
水曜日に一旦帰ってきたときは、この間の長い化学療法などで、精神的にも少し?大分?
まいっていたので、チョット元気がなかったです。4クール目に化学療法そして、年明けからは放射線量。良くなって欲しいなーと思いますが、結構不安もあります。
昨日あたりから少し元気が出てきたかなあと思います。4クール目頑張らなければ。
さて、前回は「何ともないと言われたけれど、本当に何ともないの?」というお話をしました。今回も少し似ているのですが、「私の病気は本当は何?」といった内容でお話ししたいと思います。
時々こんなことを言われる患者さんがいます。「最初に行った病院では肛門ポリープ、次の病院では裂肛。もう一回行ってみると今度は内痔核。一体私の病気は何ですか?」といった内容です。
「いぼ痔だから軟膏出しとくね。」で終わってしまうのも心配ですが、診察をうける度に病名が違う。これも患者さんにとっては、とても心配なことです。
これは、シャークスピアの「木を見て、森を見ず。」です。
おそらくすべての先生が正しいことをおっしゃっているのだと思います。診察をしているときに、どうしても一番最初に目に入ったものに引きずられてしまいます。診察した時に裂肛があればれ裂肛、肛門ポリープがあれば肛門ポリープ、内痔核があれば内痔核に引っ張られそれぞれの病名になってしまうのかと思います。
例えば肛門の診察をする際に肛門鏡を使って肛門の中の状態を診察します。筒形の肛門鏡で診察する際、肛門鏡を挿入して押し込むだけの診察ですと、内痔核の診断や性状は解りません。内痔核の診察をする際は、筒形肛門鏡を挿入して観察するのも大事ですが、抜いていく時の状態を診ることがとても大切です。そして、少し怒責して便をするように頑張ってもらいながら肛門鏡を抜き観察することで、内痔核の有無や、どのように腫れてくるか、脱出してくるかがわかります。
また、肛門鏡でなかを観察した際に大きなポリープがあると、その時点で病名は肛門ポリープになってしまいます。また、痛みがあるということで、裂肛があるとやはり病名は裂肛になってしまいます。
やはり、一つの病気を見つけても、ほかに病変がないかどうかをしっかりと診察しなければなりません。
今回の様なケースでは、おそらく内痔核があったのでしょう。段々腫れが強くなり、排便時に脱出するようになり、そのことが原因で裂肛になる。内痔核が脱出するとやはり裂肛も段々悪くなり、肛門ポリープができてくる。
こんな感じだと思います。それぞれの先生が言っていることは正しいが「木をみて、森を見ず。」です
やはり、肛門ポリープがあれば、肛門ポリープだけなのか、裂肛などほかの病気は無いか。内痔核が原因で悪くなってきたのではないか?など、しっかり診察することで、このようなことは起きなくなると思います。
「木をみて森を見ず。」これはとても大切なことだと思います。