渡邉医院

悪性リンパ腫再発の治療に向けて思うこと

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 現在、悪性リンパ腫再発の治療のため入院しています。2月24日から体調に変化が出て、その後急速に悪化して、先週の土曜日に緊急入院しました。2日間の治療で随分楽になりました。

 去年の初発の悪性リンパ腫、そして今回の再発。渡邉医院を再開してまだ1ヶ月チョットでの休診。とても残念で悔しいです。前回から今までの治療中、TwitterやYouTube、そしてLINEなどでの相談。療養中の私にもできることがあるんだと思うことができ、患者さんと繋がっていることが、私の治療の支え、力になりました。また復帰して、仕事ができることがとても嬉しく感じ、患者さんと関わるれることが、とても楽しかった。早く復帰したいと思います。

 これまでの治療を通じて思うことがあります。以前もお話ししましたが、本当に何気ない普通の生活が過ごせることの幸せと、その何気ない普通の生活を過ごすことの大変さを感じました。

 医療費に関しても経済的な負担が大きいです。前回の悪性リンパ腫に対しての寛解導入療法、地固療法、そして最後の自家血幹移植までにかかった保険料は約1200万円。3割負担で360万円。ただ、高額療養費制度でそれでも約120万円ほどかかりました。まだ経済的な余裕があったことと、休業補償でなんとか乗り切れました。今回の再発で同じ治療を受けるなら、高額な保険料を支払うことができず、治療を断念するか、縮小するしかありません。

 家族が何気ない普通の生活を送るのには、医療費だけでなく、毎日の生活の糧が必要です。そのことが難しい。経済的理由で、必要な医療が受けられなくなる。そのような方な多いと思います。

 今回の再発に対しての治療は、前回とは違いベレキシブルと言う内服薬での治療です。ただその薬価が1錠5067.4円と高額です。1日6錠で1ヶ月で約94万円。3割負担で約28万円です。高額療養費制度があるので、もう少し安くはなるのではと思います。

 この様に、製薬会社の皆さんが研究を重ねて、私たちの生 命を守ろうとして開発して下さった薬。経済的ない心配をすることなく、必要な薬による治療が受けられる薬価制度に国に改善を求めたい。薬価を下げ、私たちの負担を軽減し、私たちの命を守る薬を開発して下さる製薬会社には、それに見合った十分な支援をする。そんな制度を作ることが国のやるべきことだと思います。

 私たち国民や国を守るということは、戦争ができる国作りのために防衛費、いや軍事費を増やすことではないはずです。

 本来なら、私たち国民、国を守ることは、社会保障を拡充し充実させることです。国民皆んなが経済的な理由なく必要な時に必要十分な医療を提供できるようにすること。それこそが国がやるべきことです。

 日本が率先して行えば、世界は日本を見習うでしょう。できることなら全世界統一の保険制度ができれば、戦争のない、そしてだれもが何気ない普通の生活がおくれる