渡邉医院

頻回の下痢、硬い便でお尻が痛い!

 皆さんこんにちは。渡邉医院の渡邉です。

 914日に移植した造血幹細胞が移植後10日目の924日に生着しました。これで生着するかどうか心配する必要がなくなり、後は白血球をはじめとする血球が増えていくのを待つだけになりました。

 まだまだ、移植前処置での抗がん剤の影響は残っています。まだお腹の調子が本調子でないこと。また唾液の分泌が減るようで、口腔内が乾燥して殻から。食事をするときも少し飲み込みにくい感じがあります。まあ、次第に改善して治っていくと思っています。

 さて今回、移植後10日目という比較的早い時期に生着した要因として、私は次のようなことを考えています。

 1.自家血幹移植までに行ってきた抗がん剤による治療のダメージが少なかったこと。

 2.接種した造血幹細胞が元気で、十分な量を採取できたこと。

 3.移植時に7×106乗の造血幹細胞が使えたこと。

 4.体自身が頑張ってくれたこと。

この4つが要因ではないかと考えています。また自分の造血幹細胞を移植する自家血幹移植だったことが一番だと思います。感じとしては、完全に抑制が来た骨髄。造血幹細胞の移殖で、「お帰り!待っていたよ!後は任せたからよろしく!しっかりフォローするからね!」といった感じです。
 一応生着しましたが、まだまだ気を緩めず頑張っていきたいと思います。

 さて、今回はもう一つ。これからお話しする内容は、今回の移植前処置の際に頻回の下痢をして肛門だけでなく、肛門周囲も痛くなった経験した内容です。医学的にしっかり検証したわけではないので間違っているかもしれませんがお話しします。

 便秘で肛門が切れる裂肛という病気があります。裂肛は便秘だけでなく、下痢でも起きます。下痢をしてお尻が痛いとなればまずは裂肛を考えます。また、頻回の下痢などで、血栓が詰まってしまったり、血栓が詰まらなくても、皮下出血を肛門の周囲に作って受診される方もいます。また、硬い便が出なくて、頑張って頑張ってやっと出てお尻が痛いという患者さんの診察をすると、肛門内に小さな血栓が多数詰まっている患者さんいます。
 このように頻回の下痢や硬便で何回も何回も怒責を繰り返すことで裂肛や場所は様々ですが血栓が詰まることがあります。ただ、今回の経験では、これだけではないと思っています。

 今回、私は抗がん剤の副作用もあって、頻回の下痢が続きました。さらに常に便がしたい感じがあって、トイレで座って頑張っても出ないということまりました。ですから何とかこの回でスッキリ出し切りたいという気持ちから、強い力みを繰り返しました。
 その結果、肛門が痛くなりました。
 裂肛の痛みもありましたが、それとは別に肛門から少し離れた部分、座った時に当たる部分に痛みが出ました。
 肛門上皮が避ける裂肛ではなく、外肛門括約筋及びその外側の部分が痛みました。常に痛みがあるのですが、特に立ったり座ったりしても痛みがあったり、便がしたくなると痛みが出たり。そんな症状でした。
 排便時に怒責(排便時に頑張ること)すると、肛門は外に出るような感じになります。これを脱肛と言います。人間具合よく脱肛して具合よく便が出ます。排便が終わり怒責を止めると、脱肛はもとの状態に戻ります。
 やはり、この際に強い怒責をすることで、脱肛状態が強くなる。さらに腹圧をかけて便を出そうとすると、相当な圧力が肛門の内外肛門括約筋などにかかると思います。
 その際に、筋肉がダメージを受ける。このダメージが常に痛みがあり、立ったり座ったりする際の痛みになったり、また便意がきた時の痛みになるのかなあと思います。またそのダメージを受けた部分が座ったりしたときに痛みが出たりするのかなあと思います。

 私の場合は、前後がそんな感じの症状で、特に前方が痛かったです。
 1週間ぐらい経つと、痛みは軽減してきています。特に何の処置をしなくても治っていくと思います。現在も軟膏や座薬等は使っていません。

 私が経験したように、頻回の下痢でそのたび強い怒責をしたり、硬い便をやっとのおもいで出したりした場合、裂肛や血栓が詰まるだけでなく、筋肉のダメージも受けるのだろうと思います。

 このことに関してまた調べておきます。