渡邉医院

動物の便の排出時間は12±7秒

 こんばんは。5月も明日1日残して終わってしまいますね。私は今悪性リンパ腫に対しての抗がん剤治療で入院中です。入院していると、エアコンが効いているので、暑さは感じず快適です。329日に入院したのですが、病棟の中はその時のままです。全く季節は進んでいません。今私は5クール予定のうち、今日で4クールが済みました。特に強い副作用所なく、順調に治療は進んでいます。いつもですが、1クール終わって、特に強い副作用等がなければ一旦退院です。ですから明日私は退院。次は66日の月曜日に5クール目に向けて再入院します。その後の治療予定はその時に主治医と相談することになります。
 必要な治療はしっかり受け、完治して復帰したいと思います。渡邉医院は休止中でご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
 Twitterでの相談していますのでお尻のことで何か心配なこと不安なことがあれば、遠慮なく相談してくださいね。

 今回は先日行われた日本大腸肛門病学会主催の第31回教育セミナーの内容を前回と今回とで報告したいと思います。今回はとても興味深く面白かった便秘についての話です。これまで私がブログにアップしている内容に違いはないので、今回はその私のブログにさらに付け加えて、のことに関してお話しします。

 便秘に関しての基本は同じで変わったわけでなく、具合よく便が出るには、①便のもとになる食物繊維があり量があること。②便の中に十分な水分が含まれていること。そして③大腸が具合よく動く。この三つは変わりません。

 さて今回のタイトルですが「動物の排便時間は12±7秒」と衝撃的なものとしました。

 やはり野生の動物、排便にあまり時間をかけていると、周りには沢山の天敵がいます。弱肉強食の世界です。排便も早くサッと済ませて長居をしない。そして直ぐに逃げられるようにする。そのために短いんだろうということです。それと比べて皆さんはどうでしょうか。野生動物並みに「排便時間12±7秒」と言う方、おられるかもしれませんが大抵はそうではないと思います。短時間で気持ちよく出るようにしたいものです。

 今回お話しする新しい内容は短鎖脂肪酸と、胆汁酸の便に与える影響についてです。

 もう少しだけ、違うお話を続けます。

 「ストレスは便秘の原因。」と良く言われますが、本当にストレスがかかると便秘になるのかというお話です。

 マウスの実験で、ストレスをかけたストレスマウスと、まったくストレスをかけないストレスフリーのマウスに関して調べた実験です。
 すべての結腸の上皮細胞にグアニリンとウログアニリンという物質が発現します。
 グアニリンとウログアニリンは腸管内に水分を増やして便の中の水分量を増やしてくれる物質です。
 ストレスをかけたストレスマウスでは、このグアニリンが有意に減少している。このために腸管内の水分量が減り、このことが便の中の水分量も減らすことになり便秘になるという実験結果でした。
 このように、やはりストレスも便秘になるということが証明されたわけです。なかなかストレスを取り除くことはできませんが、うまく解消していく方法を見つけ、便の調整をしたいものですね。

 もう一つ、直腸に便が残ったままになっていると、「便がしたい。」という便意がなくなるということです。私のブログでもお話ししたことがあります。ただ、直腸にコロコロの便だからスッキリ出ずに残り、このことで「便がしたい」と言った便意が出なくなるだけではないそうです。
 下痢の時も直腸に来た下痢を力んで出した時も、完全に下痢便が排出できずに、直腸内の下痢の一部が力むことでS状結腸に戻ってしまう。この下痢がまた直腸に降りてきて何回も排便したくなるといった症状になるようです。これらの完全に便が直腸内から排泄できないことを「不完全排泄」と言います。やはり便の量を増やして、形のある柔らかい便がスッと「完全排泄」できるようにしたいものです。

 さて、本題からずれて長く鳴ってしまいました。本題の短鎖脂肪酸と胆汁酸に関しては次回にしたいと思います。