4月も最後の週になりました。京都にも緊急事態宣言が発出され、ゴールデンウイークも自粛のウイークになります。ストレスも溜まり、気分もどんどん落ち込み暗い気分になってしまいます。何か、ストレスを発散できることを見つけて気分転換がしたいものです。
渡邉医院の木々たちも、緑が鮮やかになり、光輝いています。眩しいぐらいです。いつもはあまり歩くことはない家の近くなど、木々の緑を浴びに行くのもいいかもしれません。風薫る季節になります。木々の光、風の薫りを感じに行くのもいいかもしれませんね。
最近、肛門ポリープに関しての質問がありました。「肛門ポリープの手術はどのようにするのでしょうか?」といったような内容の質問でした。
さて、肛門ポリープといっても患者さんが訴えるポリープにはいろいろあります。それによって手術の仕方は変わってきます。
まず一つ目は、肛門と直腸との間の歯状線にある肛門乳頭が肥大化して肛門ポリープになる場合です。どうしても便が通るところですので、排便の状態などで炎症を起こして炎症性のポリープができることがあります。悪性のものではありません。例えば内痔核が腫れたり治まったりして肛門乳頭が肥大してくることがあります。また、内痔核が排便時に脱出することが刺激になって、肛門乳頭が肥大化してくることもあります。また、裂肛が原因で、切れたり治ったりの刺激で、同じように肛門乳頭が肥大化して裂肛が原因での肛門ポリープができることがあります。
内痔核が原因でできた肛門ポリープであって、内痔核は手術の適応がなく、肛門ポリープだけが大きくなって排便時に出てくることがあります。この場合は肛門ポリープの根元を出血しないように糸で縛って切除します。局所麻酔で行います。肛門ポリープの根元を糸で縛って切除するだけなので、痛みはありません。入院の必要もありません。2~3分で手術は終わります。
内痔核も排便時に脱出してくる第Ⅲ度以上の内痔核に肛門ポリープが合併している場合は、肛門ポリープも一緒に内痔核に対して痔核根治術をして切除します。最近では内痔核の性状によってはジオンという痔核硬化剤を使っての四段階注射法(ALTA療法)で治すことができるようになりました。ALTA療法の適応の内痔核で肛門ポリープを合併している場合は、肛門ポリープの根元を糸で縛って切除した後に、ALTA療法をします。
裂肛が原因で肛門ポリープができる場合は、慢性の裂肛になっている場合が多いので、裂肛の根治術をしながら、肛門ポリープも切除します。
二つ目は、裂肛などが原因でできた皮垂がポリープ状になる場合があります。この場合は皮垂の切除と同じように局所麻酔をしてポリープ状になった皮垂を切除します。どうしても便が通り、使いながら治さなければならないので、小さいから小さな傷、大きいから大きな傷になるというわけではありません。便が通っても具合よく治るように傷の形大きさを作ります。
三つめは、肛門ポリープではなく、歯状線近くの直腸粘膜に腺腫としてのポリープができることがあります。この場合は、渡邉医院で切除することもありますが、直腸だけのポリープなのか、それともほかの大腸にもポリープがないかを大腸内視鏡検査で調べる必要があります。この場合は検査をしてくださる医療機関に紹介して、大腸内視鏡検査をしてもらい、内視鏡で切除可能なポリープでしたら、内視鏡的に切除をしてもらっています。
このように患者さんが「ポリープ」と訴えられる病気には様々あります。そのポリープによって切除の仕方が違ってきます。