4月になって、今年は早く開花した桜も、満開から少し散り始めています。明日は雨の天気予報。花散らしの雨になってしまいますね。桜の花を楽しめるのもきょうまででしょうか?
桜の花は散っていきますが、渡邉医院の庭の木々の若葉は眩しく輝いています。毎年同じことの繰り返しですが、自然の力、命を感じることが出来ます。これから木々の葉も茂っていくのでしょう。
先日、庭の草むしりと掃除をしました。本当に運動不足なのか、直ぐに筋肉痛になってしまいました。もう少し運動をしなければとつくづく実感しました。庭の草むしりをしていると、ところどころに小さな花をつけたスミレを見つけました。そういえば母もこの小さなスミレが好きでした。庭師さんがそのスミレを植木鉢に植え替えて、母にプレゼントして下さったことを思い出します。
さて最近、患者さんからこんな話を聞きました。朝、術後の患者さんの病室に行って具合を聞きに行くのですが、その時に患者さんがこんな風な話をされました。「手術の前の日に夢を見ました。先生に手術をされている夢です。リアルな感覚でした。実際に手術を受けるときも、夢と同じ感覚で、なにか安心して手術が受けられました。」と。何か不思議な感じです。「不思議なことがあるんですね。」と二人笑いながら話をしていました。でもよく考えると、その患者さん、夢と現実との2回も手術をされてしまったということですよね。後から考えると少しかわいそうな気がしました。でも夢を見た後の手術が安心して受けられたのならば、それも良かったのかなあと思います。
でも手術の前に手術をされる夢を見る。やはり、患者さんにとって手術は、夢にまで出てくる不安なことなのだと思います。どんなふうに麻酔をするのだろう?手術はどうするのだろう?手術中は痛いのかなあ?手術の後の痛みは?手術をした後具合よく治っていくのかなあ?等、いろんな不安がどんどん溢れ出してくるのだと思います。
そういった不安をどうしたら少しでも解消してあげることが出来るのか?
患者さんの抱く不安を全て取り除くことは無理だと思います。でも正しい情報を正しいタイミングで患者さんに提供することで、随分不安は取り除けるのだと思います。全ての情報を一時期に患者さんに話をしても、「手術和しなければならないんだ。」という想いがあるとどうしても医師の話を十分に理解することは難しいと思います。患者さんに伝えたいことは、同じことでも何回も何回もお話することが大切ですし、今、患者さんに必要な情報をしっかり見極めて、お話する。この方が一時に一気にすべてを伝えるよりは十分に伝えたいことを患者さんに伝えることができると思います。
私も、コンピューターの事や、電気機械のことを一気に話をされていてもわからないことが多いです。また、その時は解った気がしても、後になってどうしたらいいのかわからないことも有ります。患者さんにとっても同じことだと思います。
時間をとって何回もお話して、患者さんが聞きたいことは同じことでも何度も繰り返しお話することで、ある程度不安を取り除けるんだと思います。
ですから、何か不安なこと、心配なことがあれば、遠慮なく何回でも質問して下さいね。そのことがお互いに有益なものに繋がっていきます。