渡邉医院

診療後、窓口負担ってどうやって決まるの?

 今日、診察が終って会計をする際に、「再診料と処置料等を合計すると134点。1点が10円なので、1340円。その30%負担なので、今日は400円ですよ。」と言って会計すると。「そんな風な仕組みになっているんですね。初めて知りました。」と。そして医療機関で払う金額が違うのは?」ときかれたので、「渡邉医院では、手術や痔核硬化療法。軟膏や飲み薬など、自分が受けている医療行為と点数が一致するのでわかりやすいんですよ。内科などでは、管理料や指導料など実感がない医療行為に点数が付いていて、その管理料や指導料は、その医療機関の施設基準など、施設施設でとれる点数や取れない点数があるからですよ。」とお話すると。「そうなんですね。今度、明細書もらった時はみてみます。」と言って帰られました。

 医療機関を受けて窓口で会計をする。その時の料金がどうなっているのかを十分に理解している患者さんは少ないのかなあと思い、今回はどんな仕組みで窓口で支払う料金が決まるかを少しお話したいと思います。

 様々な医療行為に対してすべて点数がついています。そしてその点数は2年に1回づつ見直され、改定されます。今年の4月に改訂がありました。次は2年後です。

 一つ一つの医療行為に点数が付いているのですが、例えば初診料というのがあります。初めて医療機関を受診した時につく点数です。今は、この初診料は288点です。ですから初診料だけですと288×10円=2880円となります。そして自己負担が3割の人は、2880×30%=864円。四捨五入で860円の窓口負担になります。2回目以降医療機関を受診する際の再診料は73点です。73×10円=730円。3割負担の方は730×30%=219円。ですから220円の窓口負担になります。こんな風にして計算して窓口負担が決まります。

 少し詳しく例を挙げて説明しますね。
渡邉医院を始めて受診して、内痔核があったとします。出血も多いのでパオスクレーという痔核硬化剤で痔核硬化療法をして。軟膏も処方されたとします。その時はどうなるかです。

 初診料:288点 痔核硬化療法:1660点 パオスクレー5ml128点 軟膏:13点 調剤料:8点 処方料:42点 

となります。これを全部足すと。288+1660+128+13+8+42=2139点となります。

 2139×10円=21390円。3割負担の方だと21390×30%=6417円。四捨五入で6417円の窓口負担となります。こんな感じで決まっていきます。

  渡邉医院の場合は、指導料や管理料などの実感のない点数が無いので、点数と窓口負担がわかりやすいと思います。ただ、内科系などの医療機関ですと、その管理料や指導料などが点数に加わってきます。この管理料や指導料が患者さんにとってはとても解り難いのだと思います。でも、この管理料や指導料は、患者さんにとっては解り難いのですが、とても大切な点数でもあります。例えば糖尿病や高血圧症の患者さんにどういったことに気を付けて生活をしたらいいか、どのような食事をしたらいいか。また、血液の検査などを行った結果を見ながら内服薬の調整をした理、次にいつ検査をしたらいいか、またどんな検査が必要なのかを考え、管理していく。そして指導していく。目に見えない医療行為ですがとても大切だと思います。またこの管理料や指導料が各医療機関の施設基準で変わってきます。また、初診料や再診料なども診療所と病院では違ってきます。

 ただ、手術料などは日本全国どこの医療機関に言っても同じ点数です。例えば痔核根治術は5190点、痔瘻根治術は3750点、裂肛根治術は3110点と、この点数はどこの医療機関でも変わりません。

 渡邉医院は有床診療所です。入院の施設があります。この入院の際にかかる入院基本料は各医療機関の人員配置(看護師の人数等)等、施設の規模や医師や看護師などの配置人数などで点数が違ってきます。渡邉医院の1日の入院基本料は776点です。

 また、手術の点数はどの医療機関でも、診療所でも病院でも同じです。でも手術の際の麻酔の仕方で手術にかかる点数が変わってきます。渡邉医院は局所麻酔で手術をします。ですから手術の際にかかる麻酔量は麻酔薬の薬剤費だけです。これが腰椎麻酔や硬膜外麻酔、また全身麻酔等麻酔の仕方で点数がちがってきます。また麻酔の際の麻酔管理料なども加算されます。局所麻酔だけですと麻酔薬の薬剤費だけで、麻酔の管理料はありません。

 このようにいろんな点数を足したものに10円をかけて、各自の負担割合(1割負担、2割負担、3割負担など)で窓口で払う費用が決まってきます。

 今度医療機関にかかられた際には、一度明細書を見て確認してみて下さいね。