昨日今日と、台風の影響もあってか雲が多い天気になっています。暑さも厳しいですが、風があるので少し救われます。
新型コロナウイルスの感染にも気を付けなければなりませんが、熱中症も気を付けて下さいね。熱中症で救急搬送される方が多くなってきています。
また、海や川などでのレジャーも気を付けて下さい。例年と違って監視の方や救助の方がいないところも多いと思います。
さて、今回も質問に対しての回答に関してお話したいと思います。今回は温水洗浄便座の洗浄に関してと、災害時にお尻の悪い人が気を付けなければならないことに関しての質問がありました。一見関係ないように見えますが、意外と関連があります。
質問はこんな感じです。
「ウォッシュレットは痔には良いのでしょうか?逆にNGだったりしますか?」
と「今後、もしも地震等の災害が起きた際に痔の人が気を付けておいた方が良いことはありますか?」という質問でした。
まずは最初の「ウォッシュレットは痔には良いのでしょうか?逆にNGだったりしますか?」に関してお話します。
以前にもブログでお話しましたが、洗浄便座の洗浄は使い方によっては肛門の具合を悪くしてしまうことがあります。
洗浄便座の洗浄は本来の目的で使う分には問題ないと思います。でも洗浄を使い始めると段々水圧が強くなってしまうことがあります。あんまり強い水圧で洗浄すると肛門を傷つけてしまうことがあります。肛門科の先生の間では「強く洗いすぎて、肛門を傷つけてしまっている人がいるようね。」とか「強すぎて直腸まで傷つけることもあるようだ」といった声もあります。
洗浄便座は洗い流すというよりは洗って湿らせて拭きやすくするだけという気持ちで、軽く洗って軽く拭く程度にして下さい。
また、強い水圧で洗うと肛門に当たった水は直腸内に入っていってしまいます。入ったお水はどうなるかというと、後から勝手に出てきてしまいます。そうするとかえって肛門が汚れたり、強く洗うことで肛門の皮膚がただれ、皮膚炎になってしまうことがあります。肛門の皮膚炎の原因にもなります。
また洗浄を使って意図的に直腸内に水を入れ、浣腸の要領で便を出す人もいます。これも洗浄がないところでは便が出せないなんてことになってしまいます。やはり便秘は洗浄ではなく、緩下剤などを使いながら治していくことが大事です。
洗浄便座は良いところも悪いところもあります。上手く使いこなすことが大事です。
節水で洗った感を出すにはどうしても水圧が強くなっていきます。気を付けて使いましょう。
もう一つの質問は、「今後、もしも地震等の災害が起きた際に痔の人が気を付けておいた方が良いことはありますか?」という質問です。
これからは台風が来る季節です。台風によってこれまでも多くの災害、そして被災者が出ています。台風による被害が出ないで欲しいと祈るばかりです。でもどうしても災害が起きて、避難生活を強いられることがあります。こんな時、お尻の具合の悪い人は何を気を付けたらいいかという質問です。
痔を持った人だけではありませんが、こういった緊急時には身体的にも精神的にもストレスがかかります。やはりこのストレスが、自分の持っている病気の病状を悪化させてしまいます。被災して避難生活など送る際に、なかなかストレスをため込まないようにはこ無理だと思います。でもできるだけ何かストレスを取り除く方法を考えることま大切です。
また、こういった状況では排尿や排便など、排泄に関しての環境が悪くなってしまいます。そして、このような状況になるとどうしても便秘や、反対に下痢になったりすることがあります。脳と大腸の動きはとても関連があります。ストレスや生活環境が変わるなど、精神的なことが直接大腸の動きに影響を与えます。ストレスなどで大腸の動きが悪くなると便秘になりますし、反対に大腸の動きが激しくなることもあります。その時は下痢になってしまいます。
排便の調整ができるよう便秘や下痢の内服薬は常備することが必要かなあと思います。
また、避難場所においては、排泄の環境を整える、また入浴など肉体的にも精神的にもリラックスできる、そういった環境を作ってもらうように自治体や国に求めたいです。
あと、大切ですがなかなか難しいことがあります。それは、私たちもどんな状況でも、そしてどんな場所でも排泄できるようにすることが出来るようになれることです。難しいですができればいいなあと思います。
災害が起きた時、トイレなどの環境が日々の日常とは異なることになります。洗浄便座の洗浄もできなくなると思っておかなければなりません。洗浄便座でなくても排泄できるように。そして、洗浄しなくても便が出るように緩下剤等で便が出るようにしていかなければなりません。
ただ、携帯用の洗浄器も市販で売っています。いろんな種類があります。自分に合ったものを選んで持っておくのもいいかもしれませんね。