渡邉医院

皮垂(スキンタグ)を切除してもまたできるの?

 Twitterで皮垂(スキンタグ)についての相談がありました。相談の内容は、「皮垂を切除してもまたできてしまうのか?」また、「切除した後の日常の生活はどうなるのでしょうか?」、「仕事はできるのか?」といった内容の相談でした。

 まず、皮垂(スキンタグ)ですが、皮垂は字のごとく「皮膚が垂れる」でシワのようなものです。皮垂そのものは、痛みが出たり出血したりなどの症状は出ません。ただ。このしわがやはり気になる。また皮垂があることで強く拭きすぎたり、また一生懸命に洗いすぎたりして、皮膚炎を起こして痒みが出ることがあります。また皮垂があることで拭きにくく感じたり、皮垂そのものがあることが気になる等の症状があります。
 特に悪いものではないので絶対に切除しなければならないわけではありません。でも、私としては気になるようであれば切除してスッキリするのがいいと思います。
 皮垂は単独の病気ではありません。皮垂が出来るにはそのもとになる肛門の病気があります。例えば、内痔核が腫れたり治まったりすることで皮垂が出来たり、また裂肛によってその裂肛の外側に皮垂が出来ることもあります。また血栓性外痔核が出来、血栓が吸収されていく過程で皮垂が出来ることもあります。

 相談の「皮垂を切除してもまたできますか?」の質問ですが、「できることがある。」が答えです。それは何もなかったところに、内痔核や裂肛、そして血栓性外痔核などの原因がまたできると、それを繰り返していく間に皮垂が出来てきます。したがって、皮垂を切除した後は、その原因となった内痔核や裂肛、血栓性外痔核にならないようにすることが大事です。そうすると、これらの肛門の病気の一番の原因は排便の状態です。便秘であれば便秘を治す。下痢であれば下痢を治すなど、排便の状態を良くしていくことが一番大切です。原因がなければその結果としての内痔核や裂肛、血栓性外痔核が出来ません。そうするとおのずと皮垂もできないということです。

 また皮垂を切除した後に再度皮垂が出来る原因の一つに、皮垂を切除した後に術後の傷が腫れてしまうという原因があります。
 どうしても肛門にできた皮垂を切除する際に術後に傷が腫れることがあります。この術後の腫れの具合で、皮垂を切除した後にその腫れが引いた後に再度皮垂が出来るということがあります。こういった術後の腫脹によって皮垂が出来る場合は、多くは内痔核が原因での皮垂を切除する場合に起きやすいです。
 皮垂の切除をした場合に、その傷が小さすぎたり、また皮垂を切除するという外科的侵襲で内痔核が腫れてくることもあります。したがって内痔核が原因での皮垂を切除する場合には、途中までは内痔核に対して行う痔核根治術と同じように皮膚を剥離して、ある程度肛門管内まで剥離して皮垂を切除する必要があります。場合によっては内痔核の根部を糸で縛って肛門上皮の部分を縫合するように、皮垂を剥離してその根元を糸で縛って内痔核の時と同じように何針か縫合したりします。
 こういったことが原因で皮垂を切除してもまたできることがあります。前者は皮垂を切除した後の排便の状態を良くして、皮垂が出来る原因を取り除くことが大事ですし、後者はやはり皮垂に原因によって皮垂の切除の仕方を工夫する必要があります。前者は患者さんが先生と相談して排便の状態を良くすることが大事ですし、後者は手術をする医師が心がけなければならないことです。

 皮垂の切除後ですが、普段通りの生活をしてもらっています。術後1日目から入浴をしてもらっています。また仕事などもいつも通りにしてもらっています。

 少し話は違いますが、文部科学省が困窮している学生に10~20万円の給付を行うという報道がありました。
 給付することは困っている学生さんには少しは助けになると思います。でも根本的な解決にはなりません。授業料を払うため、また借り入れた奨学金を返すためにバイトをしてそれに当てる。ですから給付金を渡すとともに、この高い授業料や奨学金の返済についてもっと支援をして、その負担を軽減することが必要なのではないでしょうか。また大学など教育機関に、もっと国費を投入して、日本の未来を担う若者たちが、経済的な理由で学ぶことが出来ないことにならないようにしていくことこそが根本的な支援ではないでしょうか。

 例えば内痔核の治療は、内痔核が出来てしまったことに対しての治療です。でもこれは内痔核が出来てしまった原因に対しての治療ではありません。内痔核を治した後は、その原因となる排便の状態を良くするといった原因を治す治療が一番大切です。このことに当てはめてみると、困窮している学生さんたちに給付金を渡すということは、内痔核の治療です。でもその原因である排便の状態を良くするということは、授業料や奨学金への支援、そして大学などの教育機関に国費を投入して、経済的な理由で学ぶことが出来ないといった状態にならないようにすることだと思います。