渡邉医院

ALTA療法(ジオンによる四段階注射法)施行当日に患者さんにするお話。

 今、ALTA療法をする際に患者さんに説明しているお話を何回かに分けて紹介しています。前回は「初診時にALTA療法適応の患者さんにするお話」でした。
 今回は、ALTA療法(ジオンによる四段階注射法での痔核硬化療法)を行う当日に患者さんにお話しする内容を紹介します。

ALTA療法を行う前の話。

1)麻酔について

 まずはALTA療法をする前に局所麻酔の方法や麻酔にかかる時間。そしてALTA療法にかかる時間などをお話します。
 局所麻酔に関しては、ALTA療法が痛いので麻酔をするのではなく、痛みなく十分に肛門を広げて内痔核の奥の方からしっかりとジオンを局注していくために麻酔をすること。また麻酔の方法はまずは肛門の表面全周に麻酔をした後に括約筋に注射して筋肉の緊張をとるように肛門全周に筋肉に麻酔をすることを話します。局所麻酔ですので、最初の表面一周と、筋肉一周は痛みがありますが、筋肉には何周か麻酔をしていきます。麻酔をした部分に麻酔を足していくので途中で痛みはなくなります。大体5分程度で麻酔は終わります。

2)ALTA療法にかかる時間について

 内痔核に対してALTA療法を行う時間は1箇所の内痔核に対して大体5分程度で終わります。3箇所の場合は15分程度です。

3)ALTA療法後の痛みについて

 次にALTA療法を行った後の痛みについてお話します。ALTA療法は傷が出来ないので、麻酔が切れて傷の痛みが出ることはありません。でも、肛門はグッと締まることも痛みの原因になります。局所麻酔が切れてくると、肛門も一端締まってきます。この肛門が締まることが痛みとして感じることがあるので、あらかじめ消炎鎮痛剤をわたし、痛みがあるならば迷わず内服してもらうようにお話します。これがALTA療法施行前に患者さんにお話しする内容です。

ALTA療法が終わった直後に話す内容

 次にALTA療法が終わった直後に患者さんにお話しする内容です。
 ALTA療法が終わった後は3点お話します。
 1点目は、局所麻酔は1時間で切れるので、この際に肛門が締まってきて痛みを感じることがあるので、痛みがあるようなら迷わず消炎鎮痛剤を内服してもらうこと。
 2点目は点滴はALTA療法が終って2時間たっても血圧が下がったり脈が遅くなることが無ければ終了することを話します。これまでALTA療法を行ってきて、2時間過ぎてから血圧が下がったり、脈が遅くなったりすることが無いからです。そして3点目が、ALTA療法をおこなってから3時間後にもう一度私自身が診察をして肛門部の腫れが無いか、硬化療法を行った部位の硬さがどうなのかを診察することをお話します。
 ALTA療法を行った後は、1時間後、2時間後は看護師が、そして3時間後には私自身が状態を診ています。

ALTA療法後3時間後に話す内容

 ALTA療法3時間後にもう一度診察する際に患者さんにお話することは3点です。
 1点目は出血に関してです。出血は手術と違うので、傷口からの出血は無いので安心してもらうこと。でも内痔核に注射をしているので、その際にどうしても針孔から血が出て、最初の排便の時に血がついても心配ないこと。
 2点目は痛みについて。痛みに関しては、局所麻酔で行うので、麻酔は1時間経つと完全に切れてしまうこと。どうしても麻酔が切れてくると肛門が締まってきますそれが痛みと感じることがあります。3時間経つと完全に麻酔が切れています。完全に麻酔が切れた状態が今の痛みであることをお話します。
 ただ、局所麻酔の際に針を刺します。針を刺すと痛みがあります。麻酔の針だからといって針を刺した後の痛みが無いはずはありません。痛みがあるようならしんかり消炎鎮痛剤を飲んで欲しいということをお話します。
 最後の3点目は排便に関してです。排便はALTA療法を行った次の日から、行きたくなったらいつもと同じように力んで出して下さいということをお話しています。どうしても怖い感じはすると思います。大抵がALTA療法を行った最初の排便から内痔核は出てこなくなります。いつもと同じように排便してもらっています。

このようなことをALTA療法を行う当日に患者さんにお話しています。