新型コロナウイルスの感染拡大が広がっています。
今日26日、首相官邸で開催された新型コロナウイルス対策本部で、スポーツなどの大規模イベントについて、今後2週間は中止や延期、規模縮小の対応をとるように要請が出ました。この2週間が感染拡大の山場ととらえているのでしょう。
国や地方自治体からは、正しい情報速やかに発信してもらい、またメディアもその情報を適切に、的確に私たちに知らせて欲しいと思います。その情報を基に、あまり恐れることなく、また甘く見ることなく適切な対応を私たちもしなければならないと思います。
そのような状況の中ですが、今日は少し便秘に関してお話したいと思います。特に女性の方の便秘について少し詳しくお話したいと思います。
女性ホルモンと便秘の関係。
女性の方が皆便秘になるわけではありません。でも男性と比べて女性特有の便秘の原因もあります。それは女性ホルモンによる原因です。
卵胞ホルモンと黄体ホルモン。
女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。
卵胞ホルモンの働き。
卵胞ホルモンは子宮にはたらき、受精卵が着床する子宮内膜を厚くする働きがあります。女性らしさを作るホルモンです。思春期から分泌量が多くなり、30歳代でピークに達します。そして更年期になると減少していきます。
黄体ホルモンの働き。
黄体ホルモンは子宮内膜を受精卵が着床しやすいように整え、妊娠の助けをします。体温を上昇させる働きもあります。妊娠した場合には、黄体ホルモンの分泌が続き、赤ちゃんがお母さんの子宮の中で育ちやすい環境を整えるために働きます。また、子宮内膜を体外に排出させるのを助ける働きもしています。
女性は、この二つのホルモンで体のリズムが作られていきます。
二つのホルモンで作られるリズム。
生理、卵胞期、排卵、そして黄体期の四つに分かれます。
生理
生理:妊娠しなかったときには、卵胞ホルモン、黄体ホルモンの両方のホルモンの分泌が低下します。そして子宮内膜が剥がれ、血液と共に体外に排出されていきます。
卵胞期
卵胞期:卵巣にある卵子のもとになる原始卵胞が成熟していきます。そして成熟した卵胞からは卵胞ホルモン(エストロゲン)が多く分泌されてきます。そして子宮内膜が暑くなっていく。そういった時期です。
排卵
排卵:成熟した成熟卵胞から卵子が排出されていきます。これが排卵です。
黄体期
黄体期:排卵後、卵胞は黄体に変化していきます。この黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されていきます。黄体ホルモンの作用で、子宮内膜は段々厚くなり、妊娠に適した状態になっていきます。
このようなリズムがあります。
女性ホルモンの役割やリズムが分かっていただけたと思います。
黄体ホルモンが便秘に関係する。
さて、そこで便秘と女性ホルモンの関係をお話したいと思います。
女性ホルモンのなかで黄体ホルモンが便秘と関わっています。
黄体ホルモンは大腸の蠕動運動を抑制する働きがあります。排卵が終り卵胞が黄体に変化することでこの時期から黄体ホルモンの分泌が増えていきます。そして排卵から整理までの期間この黄体ホルモンの分泌が高い状態になります。この時期に黄体ホルモンの影響で大腸の蠕動運動が悪くなり便秘になる可能性が高まっていきます。
また妊娠すると黄体ホルモンの分泌が多い状態が持続されています。妊娠中、お腹の赤ちゃんが大きくなって大腸などが圧迫されるという物理的要因もありますが、妊娠中、黄体ホルモンの分泌が高まっていることも便秘の要因になります。
こういった女性に関しては女性ホルモンが大腸の蠕動運動に関係し、その結果便秘に繋がることもあります。
女性ホルモンのリズムに合わせて緩下剤を内服。
女性の方はこの体のリズムと排便の状態との関連をみていただくといいと思います。生理前の黄体期に便が出にくいときは、この時期だけ緩下剤を内服してみる。それ以外の時期は内服しない。などずっと緩下剤を内服しなくてもすむなど、緩下剤の内服の仕方のヒントになると思います。
黄体ホルモンは体温の上昇にも影響を与えます。基礎体温が上がってきた時期が黄体ホルモンの分泌が増えてきた目安になります。その目安で黄体ホルモンの分泌が高まっている時期に緩下剤を内服するなど、工夫していけるのではないでしょうか。