今年も後残すところ6日間。一週間を切りました。渡邉医院の近くにある北野天満宮は毎月25日が縁日です。そして12月25日は「終い天神」。1年を締めくくる日です。多くの人が参拝に行かれているようです。きっと受験生も多いことだと思います。
さて、なかなか肛門科は受診しにくい科だと思いますが、みなさんスッキリ治すことが出来たでしょうか?渡邉医院も28日の土曜日で今年の診療を終えます。12月になって、今年中に治してしまおうと思われる患者さんが来られています。また、年を越すのに、薬がなくなると心配と言うことで受診される患者さんもいらっしゃります。
まだまだ時間はあります。お尻の具合が悪くて心配な方は是非受診してくださいね。今年中にスッキリと治すことが出来なくても自分の病気のことや、治療方法、そして自分でできる対処方法を知っていただけるだけでも安心して新年を迎えられると思います。でもまあ、休みと言っても一週間。今年のゴールデンウイークよりは短いんだなあとも思います。
心配になる三つの症状
さて、この年末年始の医療機関が休みになる期間で心配になる症状としては、三つかなあと思います。一つ目が出血。二つ目が痛み。そして三つめが便秘で便が詰まって出なくなってしまうこと。この三つではないでしょうか?それぞれの対処方法をお話したいと思います。
出血!
まず一つ目の出血です。
排便時に出血。あまりいい気持ちはしません。痔からの出血なのか?、大腸からの出血なのか?、悪い病気ではないだろうかなど心配になります。また出血が続いて止まらなくなったらどうしようと心配になることもあると思います。
肛門の病気、内痔核、裂肛からの出血は慌てないで!
まず肛門の病気。内痔核や裂肛が原因での排便時の出血はあわてることはありません。内痔核や裂肛での出血はずっと血が出続けているわけではありません。内痔核の場合は、排便時に、便が内痔核を押しつぶすように出てくるときに出血するのですが、便が出てしまうと出血は治まります。肛門の中で出血し続けているわけではありません。真っ赤な血が便器にポタポタ落ちたり、場合によってはシャーっと音がしながら出血することがありますが、その時だけです。また裂肛からの出血も便が肛門を通過する際に傷が付いたり、裂肛を擦った時に出血します。でも裂肛からの出血もその時だけです。ですから慌てることはありません。
軟膏などの外用薬があればそれを塗ってもらったり、一番良く効くのが入浴です。出血していてお風呂に入って大丈夫かと思うかもしれませんが、内痔核の場合は血流がよくなるので、内痔核の腫れが引いて、出血しにくくなります。また裂肛の場合も血流が良くなり、また内肛門括約筋の緊張がとれ、裂肛自体が治っていきます。
緊急を要する出血!
さて、出血の中で緊急を要するのが、頻回の下痢状の出血です。下痢をしたのかなあと思ってトイレに行って出してみると多量の下痢状の便が出る。とりあえずお腹がスッキリしたかなあと思ったら、また便がしたくなって、出してみると同じように下痢状の便が出る。こういった出血の場合は、内痔核や裂肛などの肛門の病気と言うよりは、大腸の病気、例えば憩室炎に伴う出血だったり、大腸炎による出血。場合によっては悪性腫瘍からの出血の場合もあります。こういった下痢状の頻回の出血があった場合は、迷わず救急の病院を受診することをお勧めします。
今回は出血についてお話しました。次は痛みについての対処の仕方をお話したいと思います。