渡邉医院

3日間の間には、お腹スッキリさせましょう!

便が出ないととっても苦しい!

 今日は、便が詰まってしまった患者さんが数名受診されました。便が詰まって出ない。この状態はとても苦しい状態です。そこまで来ているのに頑張ってもでない。トイレで頑張っていると、目の前が真っ暗になってしまう。貧血みたいになって気が遠くなってしまう。などの症状が出ます。また便が出なくて頑張っているときは血圧も上がってしまいます。200mmHgまで上がることもあり、便が出たとたんに一気に血圧が下がるなどの原因でトイレで倒れてしまうこともあります。
 また便が直腸に詰まってしまうと、常に便がだらだらと出てきて下着が汚れてしまうなど、とても悲しい状態になってしまいます。
 便が出ないと食欲もなくなり、ご飯も美味しくなくなってしまいます。このことがまた便秘を悪化させたり。
 こんな状態になった時はスッキリ便を出してしまわなければなりません。

便はどうして硬くなって出なくなるの?

 ここ数日少し暑さが和らいできましたが、暑さの中十分に水分が摂れてなかったり、夏バテして、食事が思うように摂れないなどが原因で便が硬くなって詰まってしまったのかと思います。
 水分の量としては、1日、最低2Lの水分が必要です。でも食事の中にも水分は含まれています。ご飯が美味しく三食食べれていると、それだけでも1~1.5Lの水分が摂れます。でも2Lには足らないので、食事以外に1L の水分が必要になります。暑い中、体の外に出ていく水分は多くなります。これが十分に補えなくなると便が硬くなり出し難くなります。また暑さのため夏バテして食事が思うように摂れないと、食事で補える水分だけでなく、便の量も減って、便が出なくなってしまいます。
 こんな時は、寒天でできたものとか、トコロテンも便の量を増やし、水分を補ってくれます。こういったものも食欲がないときに摂るのも一つの手かもしれませんね。

便が硬くなってしまうと、なかなか自力では出せません。

 ただ、硬い便が直腸に詰まってしまうと、自分ではなかなか出すことができません。硬い便ですといくら頑張っても便がでません。また自分で浣腸しても、硬い便が出口にあると、浣腸の液だけしかでてきません。また硬くなってから下剤をあわてて飲んでも硬くなった便は柔らかくなってくれません。下剤は便が硬くならないようにする薬で、硬くなった便を柔らかくする薬ではありません。
 便がそこまで来ているのに出ない。いくら頑張ってもダメ。とても辛いといった時は直ぐに受診することが大事です。

便が硬くなってしまって詰まってしまったらどうするか。

 便が硬く詰まった時は、摘便と言って硬くなった便を出したりします。少し痛みがありますが、硬くなった便をそのまま浣腸しても便はスッキリでません。硬い便を取り出したり、また硬い便を崩して柔らかくしてから浣腸をしないと、しっかり便は出てくれません。
 直腸に便が残ったまま、次の日に持ち越してしまうと、この便がまた硬くなってしまいます。しっかり便を出し切ることが大事です。出し切った後は緩下剤を内服して便秘を治していく必要があります。

何日間便が出なくても大丈夫なの?

 ではどのくらいまでなら大丈夫かですが、食べたものが消化されて便になるまで長くても3日間です。ですから3日間の間には1回はスッキリ便が出ないと出なくなって詰まってしまいます。
 具合よく便が出ていて、1日でないときはまだまだ焦らなくていいと思います。「今日は出なかったのでしっかり水分を摂っておこう。」と様子を診てもらっても大丈夫だと思います。これが2日目も出なくて、3日目も出ないともう出ません。3日間でなくて4日目を期待してもダメです。ですから、毎日便が出る人は2日目も出なくて、夕食を迎えたら、その日は緩下剤を飲んだり、いつも飲んでいるよりもたくさんの量を飲んで次の日にスッキリ出してしまう必要があります。少し緩くなってもいいと思います。スッキリ便が出ることでまた便の調子は良くなってきます。
 また毎日気持ちよく便が出ていたのに、出てはいるもののスッキリしない。お腹が張って不愉快な日が3~4日続いた時も、一度緩下剤を飲んだり量を増やしてスッキリ出してしまうのがいいと思います。

 いったん詰まって硬くなってしまうと、なかなか自力で便を出すことが出来なくなってしまいます。詰まってしまう前に、硬くなってしまう前に緩下剤を飲んでスッキリ出すことが大切だと思います。